闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
それから2人は、また寮に戻って、お姉ちゃんとの生活が始まった。
お昼にお母さんが作ってくれた野菜スープを飲みながら、ソファに深くもたれ掛かる。
「2人とも、夜までいたら良かったのに 」
「仕事なんだから仕方ないじゃん。ピークは越えたみたいだけど 」
私が呟いた一言に、お姉ちゃんが言葉を返す。
そうだけど……やっぱり寂しい。
「お母さんのご飯、食べたい 」
またワガママな事をつい言っちゃった。
怒るかな。
「私だって…… 」
お姉ちゃんは小さくため息を吐くと、スープを口にした。
そっか……寂しいのは私だけじゃないよね。
いつも自分の事ばかりで、人の気持ちを考えた事…あったかな。
カタッと音がして、窓を見ると少しカーテンが開いていた。
「きちんと閉めたはずなのに 」
お姉ちゃんは立ち上がり、窓の外を見て手を止めた。