闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「げっ、カラスが止まってる! シッシ! 」
そう言ってシャッとカーテンを閉める。
カラス?
もしかして……
「モーガンッ?! 」
慌ててカーテンを開けたけれど、すでにカラスはいなくなっていた。
「モーガンって……あんたカラスをペットにでもしてるの? 」
不気味そうに私を見るお姉ちゃんを横に、私はしばらく外を眺めていた。
翌日は、気分転換に外を歩くことにした。
ここへ来たばかりの頃が鮮明に思い出される。
森へと続く道には、綺麗な紫色をした花が咲いている。
あの時も、同じような可愛らしい花があって……
パキッ
?!
森の中から、小枝を踏んだような音がした。
私は誘われるように、その音の方へと足を動かした。
「モーガンなの? 」
少し不安げなか細い声を出す。
「……違う 」
えっ……