闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
その瞬間、左肩に激痛が走った。
「いた…い 」
とっさに右手で肩を押さえる。
何かが指の間を伝って流れている。
まさか……
「血…… 」
手の平を開くと、血で真っ赤に染まっていた。
なんで?!
ふとルキアを見ると、じっと私の肩を見ている。
どうしよう。
まさか、こんな所で襲ったりしないよね?
うっ……
じわじわと痛みが伝わってくる。
「誰か…呼んでくる… 」
「待って 」
呼び止められて、足を前に動かすのをやめる。
「俺が手当てしてやるよ 」
え……
手当てって?
ゆっくり近いてくるルキアを、少し警戒しながら後ろへ下がる。
「もしかして、怖い? 」