闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
頭の中をぐるぐると、その事ばかりが駆け巡る。
聞かなければよかった。
「それより、さっきのは何だったんだ 」
そうだった。
いろんなことがあって、重要なことがすっかり頭から抜けてた。
私、さっき襲われたんだ!
また急に不安になる。
「突然腕に何が当たって、気付いたら… 」
腕をギュッと掴むと、キョロキョロと辺りを見渡した。
周りは暗く、不気味な空気が流れている。
「血の匂いがする 」
?!
ケイトがバルコニーにやってきた。
「人間の前でそれはないだろ。でも、確かにいい香りだな 」
そう続けてレイが現れた。
2人の視線が同時に私を捕らえた。
思わずゴクリと息を飲む。