闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
そんな言い方されると、リアルに足が震える。
「それに、犬の泥臭い臭いもする 」
顔を歪ませると、ケイトは私に顔を近付けた。
「多分、あいつと一緒にいたんだろう… 」
ルキアはチラッとこっちを見ると、ぐいっと肩を抱き寄せた。
うぇっ?!///
「入ろう 」
肩を抱いたまま、そう言って中へと入る。
あとの2人も、不思議そうに私たちを見ながら、後に続いた。
2Fのフロアには、パラパラと人がいるが暗くてあまり見えない。
下を覗くと、音楽に合わせて人々が踊っている。
みんな楽しそう。
「こうして見ると不思議だな 」
「何が? 」
華麗に踊る人々を眺めながら、ルキアがポツリと呟いた。
「永遠の命を持つ者と、死が訪れる人間が共存して生きてるなんて 」
持っていたパーティーバッグが床に落ちた。
ルキアの視線が私に向けられる。
そんなこと、言わないでよ…。
慌ててしゃがむと、バッグを拾い上げた。
「だから人間って美しいよね 」
ケイトが遠くを見る目で下を見下ろした。
「…どうして、みんなはヴァンパイアになったの? 」
「やっぱりもう知ってるんだ。知りたい? 」
ケイトがニヤッとしながらこっちを見た。