闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「エドマンドに助けられた。それだけさ 」
そうルキアはポンッと肩を叩くと、私の手を引いて歩き出した。
私たちはケイトとレイを残して、1階のフロアへ降りた。
「俺たちも踊ってみる? 」
周りの人に紛れて、私たちも音楽に乗った。
まるで、夢のような光景だった。
ダンスなんてしたことなかったけど、ルキアのリードで自然と体がついていった。
体が密着して、胸のドキドキが伝わってしまいそう。
自然と顔も近付いていく。
「ダンス上手いんだね。よく踊るの? 」
「樹里は下手だな。昔はよく踊ったよ 」
耳元で小さな笑い声がこぼれる度に、私の心臓は高鳴っていく。
「昔って、どれくらい前? 」
「100年くらい前かな 」
「やだ。私のおじいちゃんより年上ね 」
軽く笑うルキアに負けじと、私もちょっと悪戯に返した。
一瞬戸惑ったけど、大丈夫。
わかってたことだもの。
曲もそろそろクライマックスを迎える時間。
ルキアの足が止まり、合わせるように私の足も止まる。
あれ、まだ終わって……