闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
ふと顔を上げた瞬間、いきなり顔が近付いてきた。
き、きゃあぁぁ?!///
唇は触れる寸前で止まり、私は目を見開いたまま、硬直している。
ルキアは顔を離すと、クスッと笑った。
「冗談だよ。おじいちゃんとはしたくないだろ? 」
「えっ……/// 」
目をパチパチとさせながら、言葉を出せないでいると、曲が終わりを告げた。
暗かった周りには光りが灯り、人々は余韻に浸りながらそれぞれに歩き出した。
「…ダークと…何を話した? 」
突然の質問に、ドキッとする。
そういえば、何か危ないって……
もしかしてこの怪我も…?
肩をギュッと押さえる。
「バルコニーにいた時、何かの強い気を感じた。すぐ消えたけど、もしかすると、何かが近付いてるのかもな… 」
「えっ、何かって…? 」
また、あの恐ろしいヴァンパイアの闘いでも始まるの?
でも、あれはもう終わったはず。
「新しい気だ。警戒した方がいいかもな 」
私を狙ってるわけではないよね。
だって、純血の戦士は消えてしまったのだから。