闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「あんなけイケメンなのに、浮いた話ないよねあの人たち。またそこがいいんだけどっ♪ 」
キャッとまた声を弾ませて私を見る。
え、何……?
「樹里、お互い頑張ろうねっ! 」
そうニコッと笑って嬉しそうに席へ戻って行った。
「女の子だ… 」
「女の子? 」
ドキッとして、振り返るとルキアが姿を現した。
朝から、話し掛けられちゃった。
ほんとに、忘れてない…?
「末森って、男だったのか? 」
「ち、違うよ! 可愛いなぁって 」
恋に落ちた彼女は、いつもとは違って見えて、とても愛らしくみえた。
私も、あんな風に可愛かった?
ルキアを想って笑ったり、泣いたり……
もう1度、そうなれる?
私もまだ、恋を続けていいかな?
「そんなに好きなんだ? 」
「えっ? そ、そんなこと…ここで聞かないでよ/// 」
ドキドキする胸を落ち着かせる。
まさか、心を詠んだ?
肝心な時に詠んでくれないくせに……
「末森のこと 」
えっ…?
末森?
「す、好き…ですけど。優希のこと…… 」
呆然としながら答えると、「そっか」と笑みを浮かべて教室を出て行った。