闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
1人は記憶があったの?
どういう……
「だよね? 」
え……?
そうレイは落ち着いた口調でつぶやいた。
「わ…たし…? 」
目をパチパチとさせながら、レイを見る。
「通常なら、人間もヴァンパイアも記憶はなくなるはずだ。でも、君は覚えてた 」
そう言われてみれば、変だ。
クラスのみんなは、ルキアを忘れていたのに……
「私は、覚えてた…ルキアたちのことも……純血の戦士のことも… 」
どうして?
「俺たちの記憶が消える前に、先に誰かに消されたってことだよ 」
「どうして…一体誰が…? 」
ルキアはゆっくりと首を横に振った。
「でも、樹里ちゃんの記憶は消さなかった。いや、残しておきたかった? 」