闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
私はレイとケイトに目を向けた。
「俺達は元々、心は詠めない。多少、感じ取ることは出来る。みんなそれぞれに異なる能力があるんだ 」
ケイトはそう言うと、まずルキアを指差した。
「ルキアは人の心が詠める。それと、炎のパワーを持ってる 」
「で、レイには人の心を寄せ付ける力がある。特に女性。簡単に言えば、人を操れるってこと 」
ルキアがポンッとレイの肩に手を置いた。
「俺たちもそうだけど、レイは断トツに優れてるんだ。あと、闇のパワーを持ってるよ 」
闇…?
ハテナを頭に浮かべた私をよそに、ケイトが続ける。
「俺は変わりたい人間の血を飲めば、その人間に変化することが出来るんだ 」
「1時間で戻るけどな 」
レイは落ち着いた様子で紅茶を口にする。
「水のパワーも使えるから、相手をフリーズさせることも可能だよ 」
「ふぇー… 」
頭の中で整理しようとはしてみたが、ちょっと無理みたい。
一気に口で説明されても、実際に見てみないと想像つかないな。
「とりあえず、紅茶飲んだら? 」
レイが入れてくれた紅茶を一口飲む。
つ、冷たい…