闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「話がそれたな。とりあえず、気をつけろってことだ 」
ルキアの言葉に、含みかけた紅茶を吹き出しそうになる。
「だって…… 」
狙われる意味がわからない。
もう、普通の人間と同じなのに。
純血の戦士は消え……
「もしかして…… 」
「まだいるんだよ。おそらく、樹里の中に、残ってる 」
私は首をブルブルと振った。
そんなわけない。
じゃあ、あれは何だったって言うの?
「黒手団は…滅びたじゃない。そうなんでしょ? 」
「わからない 」
ガタンッ
「わからないって…… 」
思わず椅子から立ち上がる。
「でも、血が残ってるのは確かだ。微かに、臭う 」
「だから、俺たちは君に引き付けられたんだ。記憶が…なくても 」