闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
靴を履いてドアを開けようとノブを触る。
送ってくれたり……しないかな。
「…そう言いたいところだが……その必要はないみたいだ 」
え?
屋敷を出ると、辺りは薄暗くなっていた。
森側の木の後ろから、ダークが現れた。
「迎えが来てる。また明日な 」
「うん、またね… 」
そうチラッと目を合わせると、私はダークの元へと足を進めた。
昨日のこと、謝らなきゃ。
顔を見たら、なんだか申し訳なくなって、気持ちが重くなった。
並んで森の前の道を歩き出す。
「…仲直り、出来たんだ? 」
少しの沈黙を先に破ったのはダークだった。
「仲直りっていうか…… 」
どう答えていいのか分からず、言葉を濁す。
「昨日は、ごめんなさい。また来るって言ってくれたのに、私… 」
「いいよ。少し待ったけど、気が消えたから…すぐ帰った 」
そう続けるダークに、返す言葉がなかった。