闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「何の企みがあってこっち(人間界)に出入りしてるのか分からないけど、普通ではありえない人物なんだ 」
私の中では、全てが有り得ない事だらけで、そう言われてもよく分からない。
「誰なの? またヴァンパイア? 」
こんな事を普通に尋ねている自分がたまに怖くなる。
「通常では、魔界の泉にしか生息しないと言われている…… 」
その時、ガチャンと大きな音を立てて皿が割れた。
メイドさんが慌ててかけらを拾おうとすると、レイが彼女の手を止め、拾い出した。
メイドさんの表情が、怯えているように見えたのは気のせい?
「取りあえず、今は何が起こるか分からない。 モーガンやダークにも協力を頼んだ 」
またダークも手を貸してくれるの?
今、どう顔を合わせればいいの?
こんな私を、まだ守ってくれるの?
「今は何も考えなくていい 」
ルキアが頭をくしゃっとして、私を肩に抱き寄せた。