闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》

「これを渡してくれって置いていったわ。 もしかして、カップルリングか? 」


ニヤつきながら、冷やかすような口調で私に突っ掛かった。


「もう、違うってば 」


そう言いながら、指輪を受け取る。


でも、なんでこんな物を置いていったんだろう。


小指に付けてみると、指輪はピッタリとはまった。


「綺麗……なんの意味があるんだろう 」


紫の石が美しい輝きを放っている。


きっとダークのことだから、これから何かに役立つ物なのかも。


私は取りあえず、そのまま指にはめている事にした。


今年ももう少しで終わりに近付いてきた。


アーティストのカウントダウンライブを見ながら、チョコレートを少しつまむ。


こんな深夜にダメだと分かっていながらも、手が動いてしまう。


また余計な身になっちゃう。


< 92 / 133 >

この作品をシェア

pagetop