闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
カウントダウンが始まり、いよいよ年明けだ。
「…5・4・3・2・1…… 」
プツン
ちょうど日付が変わると同時に、テレビや照明の電気が落ちた。
なんだなんだと2人で肩を寄せ合う。
「停電?! 急に何? 」
こんな寒い時期に冷や汗が流れてくる。
頭を過ぎるのは、ルキアたちの話。
何か出てきたらどうしよう。
お姉ちゃんの腕をギュッと掴みながら、暗闇を見渡す。
「ねぇ、その指輪…… 」
お姉ちゃんの声で指を見ると、石が紫の光を出している。
まるで何かを導いているように、光は天井を照らしている。
すると、急に電気が付いた。
「今のは何だったの? 不思議な指輪ね 」
お姉ちゃんが私の手首を掴んで指輪を見た。
停電もあの光も、魔界に関係あるの?
一体何なんだろう。