闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
第2章
人魚の城
私はルキアらに連れられ、魔界の地に踏み込んだ。
まだ自分の置かれてる状況を把握しきれていないけど、ただ待ってることは出来ない。
私たちはしばらく、モーガンの家で身を潜めることになった。
「さらわれたとしたら、どこにいるか心あたりとかないの? 」
モーガンは瞼を閉じながら、水晶の前に座る。
水晶は何かを表すように、揺らめくように青く波を打ちはじめた。
とっても綺麗な色で、水…なんか海の波みたい。
「もしかしたら、シーラスにおるかもしれん 」
モーガンが目を開きそう呟くと、水晶の色は消え、元の透明に戻った。
シーラス?
「人魚の湖だ。 ここ最近、人間界に出入りしている噂もある 」
ルキアの表情が強張った。