運命の初恋愛
「大丈夫ですか?」

ジナさんが、心配そうに聞く。


「……はい」


ジナさん、いい人だね。
私なんかの心配してくれて……。


こんな素敵な婚約者がいるんだもん。


私の事なんて、眼中にないよね。



「ジュヨンさんに伝えて下さい」


私の正直な気持ちを、ジナさんに託す。



「一緒に過ごした時間は、忘れたくありません。私にとって大切な思い出ですから……。


それに、サヨナラも……言いたくありません。


遠くから、ジュヨンさんの幸せを祈っています――と」




あとは、ジナさんが伝えてくれる。



私はくるりと踵(きびす)を返して、駐車場まで走った。




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