運命の初恋愛
――翌日。


仕事終わり。
韓国語の本が並ぶ棚の前で立ち読みをしていると。



「韓国に行くの?」



面倒見のいい、職場の先輩、知子さんが聞いてきた。



「いえ、勉強しようかなと思って」



少しでも、近くに感じたい。
ジュヨンさんの言葉を理解したい。



そう思ったから……。



「あ、これ買います」

読んでいた本を、知子さんに見せる。



「そっか――頑張ってね」

「はいっ」





家に帰ってすぐ、買ってきた本を、パラパラめくってみる。


だけど、初心者の私には、何がなんだか理解不能。



「母音……子音……ん? パッチム……って、何?」


数分で挫折した。
大丈夫かな、こんな調子で……。



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