運命の初恋愛
「木崎」

「あれ、清先輩」



日曜日――。

仕事が終わって、気づいたら……。

市民病院に来ていた。



「私……また……――?」

「うん」


先輩が困ったような顔をした。




「すっ……すみませんっ」

私、慌てて帰ろうとする。



ジュヨンさんとジナさんの記事をネットで見た日から、心がモヤモヤして落ち着かない。


それでも、無意識のうちに、ここに来てしまう。



思い出の場所――。


病院の中庭の、あのベンチ…――



「待って」

先輩に呼び止められて、振り返る。


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