運命の初恋愛
「ナゼデスカ?」

続けて、ジュヨンさんが聞いた。



「(ジュヨンさんと……話がしたかったんです……ジュヨンさんは?)」

「ボクモ、アナタト、ハナシガシタカッタ」



理由まで同じで驚いた。



ふいに、ジュヨンさんが聞いてきた。



「アノトキ、『ジナ』ガイッタコト、ホントデスカ?」


「ジナさん……?」



演奏会の日。
ジュヨンさんに「サヨナラ」を言われた日。



『一緒に過ごした時間は、忘れたくありません。私にとって大切な思い出ですから……。それに、サヨナラも……言いたくありません。遠くから、ジュヨンさんの幸せを祈っています――』



あの時、ああ言った事かな。


それなら……。
『本当です』と、言おうとしたんだけど――。



「ワスレル……ッテ」


ジュヨンさんがそう言って、

「忘れる――?」

思わず聞き返した。


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