運命の初恋愛
初めて知った、ジュヨンさんの過去。

婚約者がいるって、知った時よりも……胸が痛い。


――『昔愛した女性』


その響きが、とてもとても苦しかった。




「木崎っ」


名前を呼ばれて、顔を上げる。


「清先輩……」

力のない返事を返す。



「何か、大変かそうだね」

先輩が隣に腰掛けた。


「まあ、世間はどうあれ、この病院の人達は、木崎の事、応援してるから」

明るい声で、先輩は励ましてくれたけど。


「もう、いいんです」

何かをふっ切るように、私は言った。


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