運命の初恋愛
「誰も気にしてなかったのに、木崎は毎日、隣に座って話かけてた」

「…………」


「その優しさで、自分の心に嘘をつかないか、心配だな」

「え?」


ドキッ。
私がした、ある決心が揺れる。


「よし、7年遅れの告白、終わりっ」

先輩は立ち上がった。



「僕は今、春美さん一筋だから。木崎、逃した魚はでかかったぞ……なんてな」


春美さん一筋……。

そう言った先輩はカッコ良かった。



「じゃあ、頑張って」

先輩が背中を向けた。



「先輩っ」


私は呼び止めて、


「私も昔、先輩が好きでした。応援してくれて、ありがとうございます!」


そう叫んだ。



先輩は、「マジ?」って笑った。


――何だ。
中学時代、両思いだったんだ。

勇気が出せなかったせいで、叶わなかったけど。


自分の心に嘘をつく――。


ごめんね、先輩。
せっかく応援してくれたのに――…

私には、そうするしかないみたい……。


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