運命の初恋愛
「(迷惑かけて、ごめんね)」


沈黙を破って、ジュヨンさんが、記事の事を謝った。


「いえ、その事は……――」


私は大丈夫です。
ジュヨンさんの方が大変でしょ?


言いかけて、ぐっとこらえる。


そして、心とは裏腹の、思ってもいない言葉をぶつけた。



「カン・ジュヨンさん」

「(何ですか?)」


「私には、好きな人がいるんです」

「(……え?)」


「今回のスキャンダルのせいで、その人に嫌われてしまったかもしれません」


「(どういう……事?)」

ジュヨンさんの表情が曇った。



――嫌だ。
そんな顔しないで……。

ジュヨンさんのそんな顔、見たくないよ……。


初めて見せてくれた、あの笑顔を――もう一度……。


私は、きゅっと唇を噛んで、そんな事を願ってしまう自分を必死で抑える。


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