運命の初恋愛
「ふっ……うっ……――」

走りながら、溢れ出す涙。



『もう二度と、君の前には現れないから』


最後の言葉が、何度も頭の中で再生される。



――終わった。


でも、これでいいんだ。
私みたいな平凡な女と噂になっちゃって……。


世間から悪く言われて……。
それでも、私に優しい言葉をかけてくれた。


最後の最後に、完全に嫌われちゃったけど……。
もう十分だよ。



それに、あの日。
ジナさんが、約束してくれたから。



『姉の事だけじゃないわ。
ジュヨンは今、デビューしたばかりの大事な時期なの。

あなたさえ、ジュヨンに近づかなければ、自然に騒動は収まるわ。

私なら、彼を助けられる。
約束するわ。ジュヨンを絶対に幸せにする』


< 156 / 213 >

この作品をシェア

pagetop