運命の初恋愛
ジナさん、ごめんなさい。


もう会わない――って約束したのに。



だけど……。

これが「最後」だから、許して下さい。





ホールの中の床は、全て赤い絨毯。


少し歩いた所にある小さな階段を上がると、2つの大きな扉が目に入る。


手前の扉を開けて、中へ入ると。


1000人、入るか入らないかの小さな客席は、もうほとんどが埋まっていた。



そして――。


まだ照明の当たっていない、ステージの上に、1台のグランドピアノが置かれているのが分かった。



ドクン、ドクン。


急に『どの面下げて』という思いが押し寄せてきて、胸が苦しくなった。


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