運命の初恋愛
 韓国語を勉強した私は、ジュヨンさんの言葉が理解できる。


『伝えたい事があります』


もしかして、今の言葉は……私に――?



そう思って振り返った。



「!」

瞬間、ジュヨンさんと目が合った。



そのまま視線を外さず、


「(その彼女を今、心から愛おしく思っています)」


ジュヨンさんが言った。



ポロッ――。
思わず涙が溢れた。


最後に、伝えたい事。
それは、思いも寄らない、ジュヨンさんからのメッセージだった。



『愛おしく思っています』



嘘っ……。
今のは、どう受け止めればいいの?


私が戸惑っていると。
ジュヨンさんが、一歩踏み出した。


ドク――…ン。


こっちに来る――!


そう思った次の瞬間。

ステージの左側から、花束を持った女性が現れた。


「――――!」

ジナさん――……?


< 170 / 213 >

この作品をシェア

pagetop