運命の初恋愛
わああっ……。
ジナさんの登場に、客席からは大歓声。


さっきのジュヨンさんの話を、全て理解できた人が、周りに内容を伝え始める。


ジナさんへの想いを告白したのだ――と。



ずっと私の方を見ていたジュヨンさんに、ジナさんが耳打ちをする。


ズキン。
胸の痛みと同時に、ジュヨンさんの視線がジナさんに向けられた。



そして――。

客席からの拍手に包まれながら、花束を受け取ったジュヨンさん。


皆に祝福される2人の姿が、まるで別世界のようで――。



私には耐えられなかった。


そのまま扉を開け、会場の外へ――。



違う、違うっ…――


帰りのバスの中、悔し涙が流れた。


――愛おしく思っています。


あの言葉は、私に向けられたものだった。



ぶつかった視線。
あの時、確かにジュヨンさんは私を見ていたから……。


このままでいいの?
本当に……いいの?


ジュヨンさんへの気持ちを確かめた時と同じように、心に問いかける。


……私は……。
嘘をついたまま――。


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