運命の初恋愛
ジュヨンさんのためだと、言い聞かせながら――。


ユ・ジスさんを思う、ジュヨンさんから……。


ジナさんを見守っている、ジュヨンさんから……。



逃げるように――。
自分が傷つかないように――。



――迷惑です。

――関わらないで下さい。




本当に、このままでいいの?




『自分の心に嘘をつかないか、心配だな』

『ちゃんと正直になれよ』



清先輩と佐伯くんの言葉を思い出す。



――ダメ。
このままなんて、そんなの嫌っ!!



「つ……っ、次で降りますっ。降ろして下さい!!」


 
バスの運転手に無理を言って、降ろしてもらうと。


私は急いで文化ホールへ戻ろうと走り出した。


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