運命の初恋愛
「(この前、ジスに会いに行った日、ちゃんと伝えたんだ)」

「(……何を?)」


私の問いに、

「(サヨナラって――)」

何かを吹っ切ったように、答えたジュヨン。



「(僕とジスは、もう随分前から、別々の道を歩いていたんだ)」

「(…………)」


「(ただ……何も言わずに、そのまま別れたのが、ずっと気になってたんだ……)」


ジュヨンの言葉を、ただ黙って聞いている事しかできなかった。



「(ジナのおかげだよ)」

そう言って、くしゃっと私の頭をなでた。



お姉ちゃんとジュヨン。
完全に過去になったんだ……。


それじゃあ……今――、
ジュヨンの心の中にいるのは……やっぱり――――?



「(今日のコンサートは、あのコのために演奏する)」


ジュヨンは、とても穏やかな顔で、はっきりと言った。


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