運命の初恋愛
――!

それだけは、嫌っ。
嫌だよ、ジュヨン!


テソンがいない今、私にはジュヨンが必要なんだよ?

だからお願い、私を見て――――!



「(ジナ……ごめん)」

突然、ジュヨンが謝った。



ごめん、って何が――?
どうして謝るの――?


じわり。
目の前の世界がにじんでいく。



「(お前の気持ちに、気づいていないわけじゃないよ)」

「(……えっ……)」


ジュヨン、私の気持ちに気づいていたの?


「(でもさ――…)」

続けてジュヨンは言った。


とても悲しそうな瞳で――――。



「(僕は、テソンじゃないから)」



テソンじゃない。


そんなの、知ってるよ……。



「(気づいてる? ジナは、僕を見ているようで、全然見ていないんだよ)」


どういう意味?
無言のまま、ジュヨンを見る。



「(ジナ、聞いて)」

ジュヨンは優しく微笑みながら、


「(テソンが悲しむ……だから、幸せになれ)」


そう言って、もう一度、私の頭をくしゃっとなでた。


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