運命の初恋愛
#28 【奇跡】
「(あなたは……ハナさん?)」
開きかけていた扉に、体をぶつけちゃって――。
中に大きな音が響いた。
結果、ステージの上にいたジナさんが、私に気づいた。
ポロン……ポロン――…
相変わらず、ジュヨンさんはピアノを引き続けている。
「(ハナさん!)」
ジナさんが、こっちに駆け寄ってきた。
「ご……ごめんなさい。もう会わないと約束したのに……」
私がそう謝ると。
「(もういいのッ。私が悪かったわ。想い合う2人を引き裂くような真似をして――ごめんなさい)」
いつもは日本語で話すジナさんが、韓国語で必死に謝り返してきて。
「……あ…………」
私は全てを悟った。
ジュヨンさんがどうして、ピアノの演奏をやめないのか――。
「(ジュヨン、もう何時間もピアノを引き続けているの。私じゃダメなの。あなたが、やめさせて……お願い――)」
ジナさんはそう言って、会場を出た。
「…………」
私は、一歩一歩、ステージに向かう。
開きかけていた扉に、体をぶつけちゃって――。
中に大きな音が響いた。
結果、ステージの上にいたジナさんが、私に気づいた。
ポロン……ポロン――…
相変わらず、ジュヨンさんはピアノを引き続けている。
「(ハナさん!)」
ジナさんが、こっちに駆け寄ってきた。
「ご……ごめんなさい。もう会わないと約束したのに……」
私がそう謝ると。
「(もういいのッ。私が悪かったわ。想い合う2人を引き裂くような真似をして――ごめんなさい)」
いつもは日本語で話すジナさんが、韓国語で必死に謝り返してきて。
「……あ…………」
私は全てを悟った。
ジュヨンさんがどうして、ピアノの演奏をやめないのか――。
「(ジュヨン、もう何時間もピアノを引き続けているの。私じゃダメなの。あなたが、やめさせて……お願い――)」
ジナさんはそう言って、会場を出た。
「…………」
私は、一歩一歩、ステージに向かう。