運命の初恋愛
「ジュヨンさんが『足長さん』として中庭に出たのは、その日が最後なんです」

「(最後――?)」


「はい。なぜか足長さんは雨が降る中、中庭に出て……それが原因で熱が出て、そして記憶が戻ったんです」


「(……そう……)」

少し考え込んだ様子のジュヨンさん、またすぐに私を見て言ったんだ。



「(僕はきっと、君に会いたかったんだ)」


「え?」


「(あの日、僕が中庭に出たのは、病室の窓から、君の姿を見つけて、会いたくて飛び出したんだ。きっとそうだよ)」


「…………」

足長さんが、私に会いたくて……。

もしも、そうだとしたら――。

私はもう、満腹状態。


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