運命の初恋愛
――大丈夫だよ。


今は、私もそう思える。
少し前までは、怖かった。


高校を卒業してすぐに就職した会社で辛い思いをして――。

傷ついたまま、ずっと夢だった『本屋』で働く事になった。


それからの3年間。
一生懸命、頑張った。

その頑張りを、いつしか認められて……。

「必要とされる」ようになった。


それが嬉しかった。

「必要とされない」虚しさを、誰よりも知っているから……。



だから、「辞めます」の一言が、どうしても言えなくて……。

人に嫌われる事が怖かったから――。




だけど、ジュヨンさんと出会って、


『必要とされなくても、必要とされるまで頑張る』


『気持ちは通じると信じて……諦めない』


事の大切さを知った。


だから、一歩、踏み出す事にした。


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