運命の初恋愛
「痛いの痛いの――…」


両手で顔を覆って、


「飛んでいけ――っ」



声と同時に、思いっきり変な顔を作って見せる、


『いないいないばあ』+『痛いの痛いの飛んでいけ』

の新バージョン(?)



効果は――…


「……っく……っく」

泣き続けていた、ミカちゃん。



「っく……ふっ……きゃはは」

ようやく、笑い出した。



「よかったぁ」

ホッとして、ミカちゃんを抱きしめた。



――このとき。


私の想像をはるかに超えた、変顔だったんだと思う。


だって――…


「あ――!」

私の視界に入った光景。



「あっ……足長さん?」

私の声に、ミカちゃんも気づいた。



「おじちゃん……わらってる」



そう。
足長さんが、笑ってるの。


にっこり――…


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