運命の初恋愛
「ねえ、足長さんの本当の名前は何て言うの?」

「…………」


「私、足長さんの事、何にも知らないんだよね」



どこの誰なのか。
どんな性格なのか。


ねえ。
誕生日はいつで、歳はいくつなの?

好きな食べ物は何?
色は?
言葉は?


聞きたい事、いっぱいある。

だけど、ね。


――恋人は…………いるの?
――誰かを…………愛してた?



「それは、知りたく……ないかな」

「――――…」

静かに寝息たてる足長さん。



「私、きっと、この人の事……――」


ある2文字を言いかけて、言葉を止めた。


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