運命の初恋愛
「本名は『カン・ジュヨン』さん、韓国で有名なピアニストだそうだ」


「カン・ジュヨン? 韓国……ピアニスト……?」


信じ難い話に、頭の中、全く整理が出来ない。


えっ、……と。

足長さん、日本人じゃなくて、韓国の人なの?



「コレ見て」

先輩が何かを差し出した。


「新聞?」
の、切り抜きだった。



『韓国人ピアニスト
 カン・ジュヨン(30)
 日本デビュー目前で
 謎の失踪!』



こんな見出しがついていた。


「この人が、足長さん……?」

顔写真も一緒に載っていた。


不精髭もなく、綺麗な肌。
髪もキチッとしていて、表情もやわらかい。

スーツなんか着ちゃって……。


「別人みたい……あ、でも」


悲しそうな――瞳――…


やっぱり、足長さんだ……。


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