運命の初恋愛
「ナースの中に、韓国語が出来る人がいて、その人が通訳をしてくれて」
「……へぇ」
通訳、という響きが寂しい。
だったら、今までの私は、何?
毎日毎日、伝わらない言葉で語りかけて――。
『意識が戻った時、自分が誰なのか、ってだけじゃない。今まで生きてきた『知識』や『生活習慣』、『言葉』や『感情』……その全てを覚えていなかったんだ』
って、前にそう聞いてたっけ。
それは分かっていたけど、でも、やっぱり悲しいよ……。
何一つ、足長さんには届いてなかったんだ、って思うと……。
「カン・ジュヨン……」
韓国の、ピアニスト……?
そんな人、知らないよ。
私は、ただ、足長さんに会いたいの。
いつもいつも寂しそうな、あの人のそばにいたいだけ。
だけど、もう――……
無理だよね。
こんなに遠い人なんだもん。
「足長さん……」
「……へぇ」
通訳、という響きが寂しい。
だったら、今までの私は、何?
毎日毎日、伝わらない言葉で語りかけて――。
『意識が戻った時、自分が誰なのか、ってだけじゃない。今まで生きてきた『知識』や『生活習慣』、『言葉』や『感情』……その全てを覚えていなかったんだ』
って、前にそう聞いてたっけ。
それは分かっていたけど、でも、やっぱり悲しいよ……。
何一つ、足長さんには届いてなかったんだ、って思うと……。
「カン・ジュヨン……」
韓国の、ピアニスト……?
そんな人、知らないよ。
私は、ただ、足長さんに会いたいの。
いつもいつも寂しそうな、あの人のそばにいたいだけ。
だけど、もう――……
無理だよね。
こんなに遠い人なんだもん。
「足長さん……」