運命の初恋愛
それより――――。
キョロキョロ、周りを見渡す。


やわらかな日差し。
五月晴れ。
芝生の上に降り注ぐ。


可愛いパジャマを着た子供たち。
車椅子に乗った、おじいちゃん、おばあちゃん。

看護士さんに付き添われて、次々に患者さんたちが集まってきた。



だけど……。

どこにいるんだろう?
ジュヨンさんが見当たらない。


まだ病院の中にいるのかも。
だって、誰も騒いでないし――。



あ、言い忘れていたけど。


今回の演奏会は、ジュヨンさんが入院中、病院の人たちにお世話になったお礼と。


病気やケガで入院している患者さん達の心を、少しでも元気づける事ができたら――…

って。

ジュヨンさんの思いが込められた、特別なものなんだ。



『良かったら、君も聴きに来てくれませんか?』


部外者の私が参加できるなんて、すごくラッキーな事なんだ。


ジュヨンさんに感謝。


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