運命の初恋愛
桂子ちやんが?

高校の時、私が佐伯くんにフラれた事を…………。


――え…?


まさか、その事が原因で別れたの?

ちょっと待ってよ……。
だって、昔の事でしょ?


「親友を傷つけたのが許せないって……」

「そんな……」



「木崎……」

佐伯くん、少し黙った後。



「何で俺なんかに告白したんだよ」

悲しそうな顔で、そう言ったの。



ぎゅうっ。
古傷が痛んだ。


高校3年の春。

精一杯の勇気を振り絞って、あなたに告白したの。


結果は残念だったし、たくさん傷ついたけど、後悔なんてしなかった。


今、この瞬間までは――…



「……ごめん」

言いながら、喉の奥がつんと痛んだ。


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