運命の初恋愛
「(何よ、黙っていなくなるから心配したのよ)」

「(悪かった)」



謝るジュヨンの向こう。

少しうつむいて座る、彼女。



「(この子は?)」

私の質問に、


「(記憶が無い時期、世話になったんだ)」

と話すジュヨン。



ねえ、気づいてる?

今、すごく穏やかな顔してたよ?


「ジナ」

ふいに名前を呼ばれて、ドキドキする私に、ジュヨンはこう言った。



「(そうだ。お前、日本語話せたよな)」

って。


「(少しね)」

答えると、


「(訳して)」

想像通りの言葉が返ってきた。


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