ホワイトライト、サマーズエンド
6.招かれざる女
マンションの前に、大幅に車道にはみ出した1台のバンが停まっている。
見たことがない車だ。
何より、駐車場への私道を塞ぐように止まっていてどうにも邪魔だ。
バイクをすぐ後ろに止め、俺はバイクから降りた。
一見車内に人影は見当たらない。
「めんどくせーな、誰だよ」
バンはカーキ色のジープチェロキー。ナンバーは福岡。
「福岡ー?」
かなり年季の入ったその車の窓ガラスにはスモークが張られていて、俺は顔を近づけて中を見た。
後部座席に銀のアタッシュケースと、18ホールのマーチンのブーツが置いてある。
奥の席には黒いコードのようなものが乱雑に置かれている。
そして何より、車から漂う鼻に残る甘い匂い。
何か変な草でも吸ってやしないかと、俺は少し警戒しながら運転席を覗き込んで、目を疑った。
黒い革のシートの上に真っ白い女の脚だけが見える。
右足はギアの方に放り出され、爪は黒く塗られている。
女の脚は艶かしい、というより本当に蒼白で不健康そうで、俺は思わず強く助手席をノックした。
「すんません、あの」
女の脚はピクリとも動かない。
死んでんのか?俺は運転席のドアに手をかけた。
ドアはあっけないくらい勢いよく開き、それと同時にだらりと、真っ白い女の腕から身体ごと落ちてきた。
咄嗟にその腕を支えた瞬間、思わずうわ、と声が漏れる。
見たことがない車だ。
何より、駐車場への私道を塞ぐように止まっていてどうにも邪魔だ。
バイクをすぐ後ろに止め、俺はバイクから降りた。
一見車内に人影は見当たらない。
「めんどくせーな、誰だよ」
バンはカーキ色のジープチェロキー。ナンバーは福岡。
「福岡ー?」
かなり年季の入ったその車の窓ガラスにはスモークが張られていて、俺は顔を近づけて中を見た。
後部座席に銀のアタッシュケースと、18ホールのマーチンのブーツが置いてある。
奥の席には黒いコードのようなものが乱雑に置かれている。
そして何より、車から漂う鼻に残る甘い匂い。
何か変な草でも吸ってやしないかと、俺は少し警戒しながら運転席を覗き込んで、目を疑った。
黒い革のシートの上に真っ白い女の脚だけが見える。
右足はギアの方に放り出され、爪は黒く塗られている。
女の脚は艶かしい、というより本当に蒼白で不健康そうで、俺は思わず強く助手席をノックした。
「すんません、あの」
女の脚はピクリとも動かない。
死んでんのか?俺は運転席のドアに手をかけた。
ドアはあっけないくらい勢いよく開き、それと同時にだらりと、真っ白い女の腕から身体ごと落ちてきた。
咄嗟にその腕を支えた瞬間、思わずうわ、と声が漏れる。