Dear


ガタンッ


「え?心愛?」


思い切り席を立ち上がった私を驚いたように見る陽ちゃんも、今は目に入らなくて、
おもむろにノートとシャーペンを取り出し、私は教室を飛び出した。


途中、「日向!?」という担任の声がしたけど、とにかく私は走った。


階段を上がって、上がって、上がって、


息が切れる頃、着いた場所は優しい風が吹く屋上だった。


すぅ…と大きく深呼吸してから、


フェンスの側に行き、腰を下ろしてからノートを開いた。


「なんでこんなに言葉が浮かぶんだろ…。」


自分でも不思議なくらい、


"青葉先輩"と呼ばれるあの人の笑顔を見た瞬間、


違う世界に飛ばされたような感覚だった。



< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop