Dear
「いやいや、私には心愛の可愛さの次元の方が違うよ。」
真顔で向けられるその言葉に私は
「じゃあ陽ちゃん結婚して下さい。」
と言って返した。
結婚してほしいくらい美人な陽ちゃんにそんなお世辞言われると嘘でも照れちゃう。
「鈍感すぎるわ…」
未だに窓の外にいる「青葉先輩」を珍しそうに見る私に陽ちゃんが何か言ったけど、声が小さくて聞こえなかった。
…よく笑う、人だな。
生徒指導の先生怖いのに。
そんな事を思って見続けていたら、
バチッと、噂の「青葉先輩」と目が合った。
わっ…!
慌てて背筋が通ったけど、
何でか目を離せない。
それどころか向こうも目を逸らさない。