となり
そして信吾はゆっくりと
息を吐くと口を開いた

『俺、実は梨沙子のこと、前から好きだったんだ。2年でクラス一緒になって、またつるめる様になって、今度こそは告白しようって決めてるんだ。来年は受験だし、うまく行けば同じ高校に通えたらなって思ってさ。もえ、協力してくれるか?』と
信吾が梨沙子を好きなことを
知って驚いたことと
信吾が告白を決意してること
両方に驚いていた
そして私は信吾が
とても羨ましく感じた
私には信吾のように勇気はない
今も彼をまともに見られない
信吾は告白を計画していても
いつもと同じように
梨沙子に接していられるのが
不思議で仕方なかった
そしてバスはホテルに着くと
ロビーで先生が夜の予定を話し
『では、解散』と
先生の言葉で次々と生徒は
部屋に戻って行った

『梨沙子、部屋何番だっけ?』と
信吾が梨沙子に問いかけていた
私はそんな信吾を直視していた

『もえ~戻ろう』と
声をかけ梨沙子は信吾達に
手を振り歩き出す

『部屋に遊びに来るみたいよ』と
梨沙子は少し嬉しそうに言った

私達はエレベーターにのり
部屋のキーをポケットから出し
部屋の扉を開ける
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