となり
バスに乗り込むと
そこには知己が座っていた
知己は私達に気が付くと
『瑞木~』と
声をかけ手を振ると
彼は『お~』と声を返す

私は知己をちらっと見て
すぐに目を反らした

バスの中は人が少なく
彼と知己が会話をする
声が響いていた

『瑞木の班は、どこに行くの?』と
知己が問いかけると
『テイネオリンピア遊園地って所だよ』と
彼が答えると知己は笑いながら
『なんだ~うちらの班と同じじゃない』と
言う言葉で私は少しモヤモヤと
嫌な気持ちになった

バスが揺れている
私は外を見つめながら
彼と知己の会話が
耳に入らないように
必死で気をそらしていた

『大丈夫?』と
梨沙子は私に小声で聞くと
私は首を縦に振り
『うん、大丈夫』と
本当は大丈夫じゃないのに
大丈夫なフリをした

本当は一刻も早く
この場所から離れたい
二人の会話を聞きたくない
そんな気持ちを押さえていた

『遊園地楽しみだね』と
私は押さえてる気持ちを
梨沙子に悟られないように
必死で笑って見せた
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