となり
バスが止まり目的地に着くと
見覚えのある
グループが何組もいる
『やっぱり、この場所を選んだグループいるんだね』と
梨沙子は辺りを見渡し言った

『じゃあ、またね。瑞木~』と
知己が手を振ると
彼は知己に向かって手を上げた

『何だ、瑞木。もしかして彼女か?』と
信吾は彼に面白く問いかけると
梨沙子は信吾の頭を叩き
『信吾の馬鹿』と
グイグイと腕を掴み歩く
『何だよ、いきなり。腕いて~し』と
信吾は訳のわからないまま
梨沙子に引っ張られ歩くと
チケットを買い中に入る

中は緑の濃い木が
森のように覆っていた
『うわ~すげな。この緑』と
片手にデジカメを持ち
写真を撮り出し中に入り歩く

『ゴーカートがあるぞ。あれ乗んない?』と
梨沙子がハシャギながら
走っていくとその後ろから
信吾が走りながら
『うおーいいね。勝負しようぜ』と
梨沙子も信吾もハシャいでいた

私と彼は取り残され
その場に立ちつくすと
『乗る?』と彼が私に
少しよそよそしく聞く
私は首を横に振り
『私は大丈夫。瑞木君乗ってきたら?』と
返事を返すと
彼は何も言わずに歩きだした

私は彼の後ろ姿を見て
少しよそよそしい
彼の態度が悲しくなった
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