となり
『私、もえがずっと羨ましいかったんだ。もえは、人見知りでなかなか友達出来ないって言ってたけど、周りには結構もえは人気があって…友達なんて私よりも沢山作れたと思うし。もえ、私のこと大人っぽくて憧れってよく言ってたけど、もえの方がずっと大人っぽくて、誰にでも優しくて、もえのこと好きになる人ばっかで、私嫉妬してたんだね。始めはもえといれば、自分も目立つかなとか、色々考えてたりしたけど、いつしか私も、もえのこと憧れて、もえみたいになりたいって思ったんだ。だけど、瑞木のことを好きだって気付いた時、彼の口からは、もえの話ばかり…だから嫉妬して、あんな言い方しか出来なくて、もえが瑞木を好きだって分かって、もえには絶対渡したくないって思って、協力してなんて意地悪言っちゃったんだ。だけどやっぱり、私が彼のそばにいても、始めから上手く行かなかったんだね。私、瑞木に告白して振られだんだ。だからってわけじゃないけど、もえが許してくれるなら、また昔みたいに仲良く…』と
知己は涙を浮かべ
私を真っ直ぐ見て話した―

私は知己を見ると涙が先に溢れ
『ごめんね』と
何度も繰り返し言っていた
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