となり

そして私達は顔を見合わせ
涙を流しつつ笑った
そして知己は私に
『ありがとう』と言うと
再び知己は笑った

『知己～』と
知己の班の人がゴーカートを
終え知己に呼びかけると
『行くね』と
知己はベンチから立ち上がり
ゆっくり歩きだす

私もいつの間にかに
ベンチから立ち上がり
歩き出していた
知己と話ことが
とても嬉しかった
さっきまで彼と会話をしていた
姿に嫌な気持ちを抱いて
いたのに何だかげんきんだった

そして暫く歩きふと我に返ると
知らない場所にいるのに
気付くと鞄の中にある携帯が
ずっと鳴っているのに気付く

『はい？』と
急いで出ると
『今何処だ？』と
彼が大きな声をだし
受話器越しに叫んでいた

私は目の前にある
大きな観覧車を見て
『観覧車が見える』と
ぼそっと呟くと
『そこから動くな』と
彼は言うと電話は切れた
私は観覧車の前に立ち
ゆっくり揺れている
観覧車を見ながら
時間が過ぎるのを感じていた
そして知己と話をしたことを
再び思い出し心が温かくなる

するとガシッと腕を
後ろから掴まれ振り返ると
彼が息を切らし立っている