となり
息を整えると彼は大きな声で
『何やってんだよ。知らない場所でウロウロしてんじゃね~よ。何かあったらどうするんだ』と
彼の怒鳴りにビックリしたのか
心配して探してくれたのが
嬉しかったのか理由が
分からずに目から涙が溢れた

彼は私の腕を掴んだまま
観覧車ゲートに入ると
観覧車に勢いよく入り込んだ

ガタガタと観覧車が揺れる
私はただ涙を流していた
彼は何も言わずに外を見ている

ガタガタと観覧車が
ゆっくり揺れる音と
彼の息を切らした息使いが
観覧車の中に響いていた

『ごめんね』と
私が口を開くと彼は私を
睨みつけ次の瞬間―

私を自分のほうに
引っ張り強く抱き締めた
彼の鼓動の音が早く聞こえる
私の鼓動も
彼の鼓動とシンクロする

何も言わずにただ抱き合う
急にガタガタっと
大きく観覧車が揺れた
外を見るといつの間にかに
頂上に上がっている
彼は私をゆっくり離すと
真っ直ぐ見て話しかけた

『何で急に避けたんだ?俺何かしたか?』と
彼は心配そうな顔をして尋ねた

私は首を横に思い切り振り
そして目に入った
手首に買ったブレスレットが
ないことに気付いた
< 114 / 411 >

この作品をシェア

pagetop