となり
『あっ、ない…ブレスレットがないっ』と
私は揺れる観覧車の中を
勢いよく立ち上がり
座っていた場所を見渡した

『ないない…どうしよう』と
私はしゃがみこむと
彼はポケットから
ブレスレットを取りだし
『これか?』と差し出す
そこにはPinkの玉の付いた
¨S¨のアルファベットが
ついたブレスレットがあった
間違いない…
私のブレスレットだった

なぜ彼が持っていたのか
不思議な顔をして
ブレスレットを受け取る

『よかった。ありがとう』と
ブレスレットを手首に付ける
『そのブレスレット、旭山動物園で買ったやつだろう?好きな人のイニシャル入りのをすると恋が上手く行くってやつ』と
彼はブレスレットを
見ながら言った

『知ってたの?』と
私が答えると
『し、信吾も買って付けてたから、聞いたんだ』と
彼が言うと次の瞬間彼の口から
信じられない言葉がでた

『もしかして、信吾のこと好きなのか?』と
彼は再びブレスレットを見た
『そのイニシャル…信吾のSだろう?信吾もそのブレスレットしてるってことは、うまく行ってるってことなのか?』と
彼は私の横から前の席に
移動すると外に目をやった―
私は一瞬凍りついた
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